添加パルミチン酸の吸着挙動 : 摩擦・磨耗への効果
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概要
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この報告には脂肪酸の吸着および摩擦・摩耗に対するその潤滑性が述べられている.吸着の実験は放射能追跡技術を用いて行われている.第1の吸着実験は, 微量のパルミチン酸を添加したn-ヘキサデカン液の中にコイン状の金属試片を浸漬し, ふいたあとGM管で計数した.金属表面の吸着量は, 初めの1回浸漬のとき大きいのみで, 浸漬時間に対して非常に緩慢である.むしろ, その値は"浸漬・ふき取り"の繰返し操作によって著しく増加する.第2の吸着実験は溶液の上に金属箔を浮かべ, 箔の裏面の放射能を直上のGM管によって測定した.その結果, 吸着量は時間とともに指数関数的に増加した.吸着現象は摩擦・摩耗の実験からも観察した.摩擦・摩耗の軽減は1回すべりのときわずかなのに対し, 繰返しすべりでは著しい.これら実験の結果, 添加脂肪酸は潤滑油中にわずかしがなくても, "浸漬・ふき取り"の操作, あるいは繰返しすべりによって金属表面にリッチに吸着することが明らかになった.
- 公益社団法人精密工学会の論文
- 1981-10-05
著者
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