慢性リンパ性白血病に合併した肺粘表皮癌の1切除例
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概要
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症例は69歳,男性.慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia, 以下CLL)で他医外来治療中,発熱と咳嗽を主訴に近医受診,胸部X線写真上,左上肺野に肺炎像を認めたため,2000年5月9日当院に紹介入院,胸部CT上,肺炎像と共に左上葉入口部の気管支内腔の狭窄が疑われ,10日気管支鏡検査を施行.左上区入口部にpolypoid tumorを認め,生検にて扁平上皮癌と診断された.術前検査を施行し,c-T1N0M0 stage 1Aであった.CLLは長期生存が期待できるので手術適応と判断し,同年6月1日に開胸.左上葉切除術後,術中の肉眼所見で気管支断端が腫瘍と近いと判断し左肺全摘術を施行した.切除標本の病理診断は,粘表皮癌でありp-T1N1M0 stage 2Aであった.術後経過はほぼ良好で約2年5ヵ月の現在無再発であるが,CLLの増悪のため他医入退院を繰り返し治療中である.
- 2003-03-15