多剤耐性肺結核に対する胸腔鏡下肺葉切除術に関する検討
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概要
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耐性肺結核に対する, 胸腔鏡下手術の有用性に関して検討を行った.気道病変のある症例は除外した.症例は3例で, 入院時は全例排菌陽性であったが, 病巣は1葉に限局していた.抗結核薬による治療で排菌が陰性になってから, 胸腔鏡下肺葉切除術を行った.3例とも, 合併症なく治癒した.胸腔鏡下で耐性肺結核の手術を行う場合, 術後合併症予防の点より, 気道病変が存在せず, 術前の排菌が陰性化しており, 癒着が少なく, 術後に遺残腔の発生が予想されない症例を選択すべきであると考える.このような症例に対し, 結核の経験豊富な内科医が十分な抗結核薬による治療を行い, 結核及び胸腔鏡手術の経験豊富な外科医が適切な適応のもとに手術を行えば, 早期離床, 創縮小による精神的負担の軽減などの点より, 胸腔鏡下手術は耐性肺結核に対して有用な術式になりうるものと考える.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2000-05-15
著者
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相良 勇三
国立療養所東京病院呼吸器外科
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福島 鼎
国立療養所東京病院呼吸器外科
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林 孝二
国立療養所東京病院呼吸器科
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相良 勇三
独立行政法人国立病院機構 東京病院 呼吸器内科・臨床検査科
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林 孝二
国立療養所東京病院
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福島 [カネ]
国立療養所東京病院 呼吸器外科
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林 孝二
国立療養所東京病院胸部外科
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福島 [カネ]
国立療養所東京病院呼吸器外科
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相良 勇三
国立療養所東京病院 呼吸器外科
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