小腸孤立性転移にて発症した肺大細胞癌の一例
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概要
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症例は64歳,男性.腹部打撲を主訴に来院.心窩節に自発痛と軽度の圧痛を認めた.CT検査にて小腸壁の肥厚と脂肪織CT値の上昇,軽度の液体貯留があり,この部位での炎症と考えた.保存的加療にて軽決していた.入院時の胸部レントゲン検査にて左肺下葉に径3cm大の腫瘤を認め,気管支鏡検査による細胞診にて肺癌と診断された.腹痛と発熱が再燃した為,腹腔内膿瘍の増悪を考え開腹術施行.壁外性に進展する小腸粘膜下腫瘍と,その周囲の膿瘍形成を認めた.小腸部分切除術および腹腔ドレナージを行った.病理検査では間葉系腫瘍の疑いとされていた.小腸切除術18日後,左肺下葉切除術施行.術後病理検査にて大細胞癌と診断された.リンパ節転移は認めなかった.肺腫瘍組織と小腸腫瘍組織の類似性から小腸腫瘍は肺癌の転移と診断された.腹部外傷を契機に発症した肺癌小腸転移は珍しく,報告する.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2002-11-15
著者
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百木 義光
平田市立病院外科
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杉山 章
出雲市立総合医療センター外科
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浪花 宏幸
出雲市立総合医療センター外科
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浪花 宏幸
平田市立病院外科(新称 出雲市立総合医療センター外科)
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杉山 章
平田市立病院外科(新称 出雲市立総合医療センター外科)
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浪花 宏幸
平田市立病院
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