縦隔脂肪肉腫5例に対する外科治療
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概要
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縦隔脂肪肉腫は極めてまれな悪性腫瘍である.当教室は1992年1月から1999年12月までの8年間に手術した縦隔脂肪肉腫5例を経験した.この5例の縦隔脂肪肉腫は同時期の縦隔腫瘍手術例の2.0% (5/250)を占めていた.5例は全部男性で,年齢は12歳から75歳まで,平均年齢は43歳であった.手術のアプローチは3例右後側方切開,1例左後側方切開,1例胸部正中切開を選んだ.外科治療の結果として1例は試験開胸であったが,2例は他の臓器に浸潤するため腫瘍を非完全切除し,2例は腫瘍を完全に切除した.術後の病理診断としては5例全部脂肪肉腫であったが,その組織分類はWell-differentiated typeが1例, Myxoid typeが4例であった.予後としては1例の試験開胸の症例は術後5ヵ月で死亡した.2例の非完全切除症例はそれぞれ術後10ヵ月と65ヵ月で腫瘍の再発と転移で死亡した.2例の完全切除した症例はそれぞれ術後23ヵ月と48ヵ月で生存している.縦隔脂肪肉腫の外科治療においては完全切除をすることが重要である.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2002-09-15
著者
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田 大力
中国医科大学附属第四病院
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田 大力
中国医科大学第四臨床学院胸部外科
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田 大力
Department Of Thoracic Surgery Forth Affiliated Hospital China Medical University
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田 大力
中国医科大学第一附属医院 胸部外科
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田 大力
中国医科大学第一臨床学院胸部外科
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