地形学的証拠からみたインド・デカン高原・西ガーツ山脈ケスタ崖の後退
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概要
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インド大陸西側の西ガーツ山脈には,高い壁のようなケスタ崖が存在する.この論文では,このような巨大な地形が,(1)後期白亜紀(およそ65Ma)にデカン高原の火山活動が休止して土地が隆起した後に生じた長期の侵食と後退によってつくられたのか,あるいは(2)現在の崖線もしくは海岸線の縁の近くに生じた断層崖の侵食や後退によってつくられたのか,について考察することを目的にしている.そのために,ケスタ崖線の平面形状,戴頭河川の長さ,支流の長さ,周辺地域の海岸におけるラテライトの分布などについて調査した.その結果,西ガーツ山脈のケスタ崖は,河川の侵食のみによって最大で数十km後退したことがわかった.この我々の解釈は,広く容認されてきた既存のモデル,すなわち後期白亜紀の隆起によってつくられた大陸の縁の崖が120-180kmにわたって平行後退したという説とは異なるものである.他の非活動的縁辺域の大陸に分布する巨大なケスタ崖に関する最近の研究の多くは,我々の観察結果を支持している.
- 2004-07-25