人格障害の診断,治療,および精神保健的立場からの対応と支援(<シンポジウム>変革期の社会周題への取り組み : 精神発達と適応支援)(第45回日本心身医学会学術総会)
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概要
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人格障害の診断法は,E.クレペリン,K.シュナイダー,アメリカ精神医学会のDSM-III,DSM-IVの診断分類という歴史的流れの中でさまざまな変遷を経てきたが,現代では(1)現代の精神科医療の中で治療的な関わりをいかに展開するか,(2)人格障害の名称がもつ偏見や「レッテル貼り」効果をいかに克服し,いかに患者の社会適応を支援するか,の2点が重要である.本稿ではまず,現在精神医学の中で行われている人格障害の診断分類と治療法を概観したうえで,学校精神保健,職場精神保健,地域精神保健の面からできる社会適応のサポートについて,筆者の意見を述べた.精神医学の中で「人格障害」という概念は,おおむね以下のように規定されている.すなわち「本人の異常性に基づく行動パターンによって,本人自身が悩むか,周りの者や社会を悩ませるようなものを人格障害と定義する」となる.しかしこの考え方は,疾病論的に特有な病理や徴候を探し出し診断を下すという疾病診断とは異なり,本人の性格の「平均からの偏倚度および逸脱度の判定」を診断過程の基礎としているという点において,一種独特な病態である.
- 日本心身医学会の論文
- 2005-03-01
著者
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