コークス炉作業者の手背に生じたピッチアカントーマの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
75才男子, 24年間コークス炉作業に従事, 退職後15年経って右手背に腫瘤が出現した. ピッチアカントーマの臨床診断で腫瘤を切除し病理組織検査したところ, 一部に有練細胞癌の組織像が見られた. コークス炉では直接タールを扱うことはないが, 気化したタール成分に触れ, タールによる皮膚障害を起こしたと考えられる. 皮膚に付着したタールは入浴でも簡単には落ちず, 長期間にわたり発癌の危険があると考えなければならない. この症例は, 離職後もタール作業者の健康管理を続けていく必要性を示している.(1988年12月19日 受付, 1989年3月23日 受理)
- 産業医科大学学会の論文
- 1989-06-01
著者
関連論文
- Juvenile Spring Eruption
- 先天性表皮水疱症における結膜の電子顕微鏡的所見
- コークス炉作業者の手背に生じたピッチアカントーマの1例
- 16.教室で経験した熱傷瘢痕癌
- 接触皮膚炎とパッチテスト : 6年間の成績に関するまとめ
- 14.アレルギー性接触皮膚炎 : パッチテストによる原因物質探し
- 19.慢性光線過敏性皮膚症に合併したCurvularia species感染症の一例
- Pityriasis Lichenoides et Varioliformis Acuta(Mucha-Habermann)(図説)