英国における航空医学の教育と訓練
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概要
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英国においては航空医学の訓練は, Royal Air Force航空医学研究所で卒後コースの続きとして行われる. 1)予備医官コース(An Introductory Medical 0fficers'Course)は, 2週間で, 空軍人隊後最初の2・3か月の間ではすべてのRAFの医師が参加する. その目的は将来彼らが空軍基地での乗務員の健康管理に必要な航空生理学や, 航空医学を教えることである. 4コースが毎年開かれる. 2)一般航空医学コース(A General Aviation Medicine Course)は民間パイロットの認定医の認可取得を希望する民間医師または, 単に航空医学に興味のある医師も参加できる. 3)航空医学のディフロマコース(Dipiomain Aviation Medicine)は1年に1回開かれ6か月である. このコースは以前に最低1年間の経験のある人に開かれており, 今までに25か国から244名もの軍人や民間の医師が参加している. このディプロマコースは航空医学のあらゆる面において高度なレベルを包括しており水準はMaster of Science degreeと同じ位, 高いものである. ディプロマはRoyal College of Physiciansによって承認されたものである. 4)RAFの医官はディプロマコースの後直ちに, 3週間の特別訓練を受ける. これは彼らにRAFの政策や手順を教えるためで, この上級コースは特に実務訓練であり, このコースを終了したものはFlight Medical officer(航空医官)に任ぜらる. 彼らはその後一定期間毎に, 再訓練生涯教育を受ける. 5)航空機乗務員は, 個人防護装備の組立使用訓練のためにRAF医学研修コースに参加する際に基本的な航空医学の原理を修得する. これらのコースは飛行機の種類別に特別な訓練を行うもので, パイロットはその生涯の間に最低4種類位の飛行機を経験するものである. 6)非常に専門的な分野に関する短期間コースが臨床コンサルタント, 医学生, 上級空軍士官, 看護婦やその他にも用意されている. 現在英国では航空医学は産業医学の一分野として認められている. Royal College of Physiciansはディプロマコースを産業医学における正式な教育過程の証拠として認定している. このように英国における産業医学の最近の非常な発展は, 民間医師および, 軍医の航空医学訓練に対する必要性を益々増加しつつある.
- 1985-03-01