細菌におけるリン脂質の代謝回転
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概要
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細菌のホスファチジルグリセロールを中心とするリン脂質の代謝回転についで, その生理的意義と機構に関する諸研究を概観した. その主な項目は次の通りである. リン脂質の代謝回転の発見とその測定方法, 代謝系の変動に伴うリン脂質代謝回転の変化, リン脂質分子内各残基ごとの代謝回転速度, リン脂質分子種による代射回転速度の相違, 代謝回転生成物, リン脂質の代謝回転の生理的意義に関する実験事実は数多く蓄積されているが, それらは相互に関連性が少なく, 統一的な解釈は得られていない. 一方, この現象の機構は, リン脂質分子内各残基ごとの代謝回転の測定と, 代謝回転生成物の追究によってがなり解明されできた. この方面の研究は細菌生理学的研究から一歩進んで生化学的方法を駆使できる段階にようやくはいり, 今後の発展が期待されている.(1979年11月26日受付)
- 産業医科大学学会の論文
- 1980-03-01
著者
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