心尖拍動図と心エコー図による心室壁弾性特性の計価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
心尖拍動図と心エコー図を同時記録して, 心房収縮時期の左心室の変動を経時的組合せとして解析した。洞調律の33症例について, 心尖拍動図のO点のレベルからの心房波高と, 同時点における心エコー図による左室短軸内径とを, 10msec毎に計測した。両者を一組としてそれらを両辺対数グラフに示したところ, 各症例において, 6乃至10個の点がほぼ直線的となった。その相関係数は, 平均0.955で, それぞれの回帰式の勾配(log-log slope)は, 健常群の6.0±1.5(10例)に比し, 僧帽弁および大動脈弁閉鎖不全症(14例, 14.1±7.1, pく0.01), 大動脈弁狭窄症(5例, 24.9±8.9, p<0.001)で高値を示した。一方, 4音を記録した症例や, 心電図ST-T変化を示した症例で高値を示した。このlog-log slopeは, 左心室弾性特性を示す指標となりうると思われた。(1979年6月15日 受付)
- 産業医科大学学会の論文
- 1979-06-01
著者
関連論文
- ジルチアゼムとベラパミルは低酸素化心臓からのアデニンヌクレオチド代謝物の消失を減少させる(発表論文抄録(1988年))
- ラット灌流心におけるH^+イオンの冠血管抵抗およびヌレオシド産生に及ぼす影響
- 12.虚血性心疾患患者に対する心電図ST連続モニターの有用性
- I.マグネシウムイオンの生体作用 : 冠血管床に及ぼす影響
- 心尖拍動図と心エコー図による心室壁弾性特性の計価