松果体腫瘍の病理
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概要
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松果体腫瘍の病理学的所見について、下記の如きRussell & Rubinsteinの分類に従って概説を試みた。I.teratoma: 1) typical and teratoid, 2) germinoma ; II. pinealoma : 1)pineoblastoma, 2) pineocytoma ; III. glial and other forms ; IV. cysts.本邦における松果体腫瘍の頻度は, 欧米に比してはるかに高いが, それは奇形腫群の頻度が高いことによるもので, 真の松果体腫及びその他の腫瘍の頻度はむしろ低いことをのべた。Two cell patternといわれる組織像をもついわゆる松果体腫は, 組織学的のみならず超微形態学的, 酵素組織化学的にも, ゼミノーム, ジスゲルミノームなどと相同性の腫瘍である。従ってこれを松果体腫と呼ぶべきではなく, 頭蓋内胚細胞腫という名称に統一することが望まれる。真の松果体腫は組織構築の上から, 神経芽細胞腫様のものと, 松果体様のものとに区分され, 細胞の分化度から松果体芽細胞腫と松果体細胞腫に区分され得ることをのべた。(1979年3月30日 受付)
- 1979-06-01
著者
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