岸内閣の「東南アジア開発基金」構想とアジア諸国の反応
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は、1950年代後半の日本の東南アジア政策において、開発はどのように位置づけられたかを明らかにすることである。具体的には、岸信介首相によって行われた東南アジア歴訪および東南アジア開発基金構想提案を検討する。その結果、開発をめぐるアジアの国際状況において、同構想は日本の行動を決定的に制限するディレンマを抱えており、それが予想した以上の対日不信とともに、東南アジア地域開発における日本のリーダーシップを拒んだ要因であることが明らかになった。