長さの短いデータに対するスペクトル解析法の検討
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概要
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スペクトル解析はランダム現象,特に乱流現象を解明する上で重要な手段である.本研究では,長さの非常に短いデータに対するB-T法(Blackman-Tukey,自己相関関数のフーリエ変換によってパワースペクトルを求める方法),DFT法(Discrete Fourier Transfom,有限離散データのフーリエ成分から,直接パワースペクトルを求める方法)およびMEM (Maximum Entropy Method, Burgのアルゴリズムによってパワースペクトルを求める方法)によるスペクトルを,パワースペクトルの明らかな5種類の典型的なランダム信号を用いて比較検討した.その結果,MEMはDFT法とB-T法と比べて優れたスペクトル分解能を持っており,短いデータからでも高分解能,良好な精度の推定ができる,しかしこの場合,観測データに適合するかどうかという問題が存在している.これは多数標本のアンサンブル平均パワースペクトルを求め,標本毎に最適な項数を使用することにより改善することができる.
- 日本計算機統計学会の論文
- 1995-05-29