グラフィカルモデリングのためのG-GM & L-GMデータ解析システム
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概要
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多変量解析の1つであるグラフィカルモデリングは,グラフで表される確率モデルであり,変数間の対称関係や因果関係をグラフによって簡潔に表現できる.その理論は,多元分割表の対数線形モデルと多変量正規分布の共分散選択モデルに基づいており,モデルの考え方は決して困難なものではない.しかし実際の解析にはグラフィカルモデリング専用のソフトウェアが必要である.日本では宮川・芳賀(1997)によってDOS版のソフトウェア(無償)が開発され,多くの分野でグラフィカルモデリングの研究が進んだ.このソフトウェアの入手方法と使用方法は日本品質管理学会テクノメトリックス研究会「グラフィカルモデリングの実際(1999)」にある.ここで紹介するグラフィカルモデリングのソフトウェアG-GM (Gaussian Graphical Modelling) & L-GM (Log-linear Graphical Modelling)は,宮川・芳賀のソフトウェアの機能を高め,多くのユーザが対話的かつ簡単に利用できるように開発したものである.特に多変量連関図(偏相関図)などのグラフィカルな事前分析機能や有向グラフあるいは連鎖グラフ作成のための機能など画面上での操作が可能になった.また,モデル選択は変数減少法を基本にして,解析者が対話的に変数間の線の追加および切断が容易に行える自由性を持たせている.G-GMでは,逸脱度によるモデル評価だけでなく,いくつかの適合度指標を導入している.なお,G-GM & L-GMのVersion 2 に関しては著者に連絡するか,http://yamadaws1.ms.kagu.sut.ac・jp/technometrics/をアクセスすることにより自由に使用・配布できる.