末期医療における真実告知 : 日米の医師の言説を探る(第 5 回学術大会発表原著)
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概要
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面接調査をもとに、末期医療における真実告知の是非についての、日米両国の医師の言説を分析した。米国の医師においては、自律の尊重をはじめとした原則を立て、そこから演繹的に行為を決定していこうとする義務論、および規則功利主義的な議論が主流だが、日本の医師においては、原則を立てることを嫌い、ケース・バイ・ケースで、その時々に最もメリットがあるように行為を選ぼうとする行為功利主義や文脈主義的な議論が中心であった。米国のバイオエシックスの原則主義的アプローチや自律の尊重に対する最近の批判を振り返る一方、日本の医師の文脈主義的な言説が、現状を肯定し医師の独断を許容するなどの危険性をもつことを指摘する。また、功利主義的な前提や理詰めの論議を回避する傾向が、日本の告知論議一般にも広くみられることに注意を向ける。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1994-10-20
著者
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