東洋哲学と生命倫理 : 仏教的生命観からの一対応(4. 生命倫理の哲学的基盤)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
仏教には、ethical codeを決定する機関は存在しない。脳死・移植等に関して学者には諸説があり、教団は、8万4千の法門のいずれに依拠するかにより、宗派ごとにニュアンスを異にしている。かと言って、原始仏教レベルで事の是非を決するわけにもいかぬ。かかる多様な見解に満ちた状況の中で、仏教者や哲学者は教理やイデーの提示にとどまらず(かりに暫定的なものであっても)、現実社会の混乱を回避すべく何らかの社会的調整の役割を果すことをも期待されていると考えられる。小論では、日本印度学仏教学会の「臓器移植問題検討委員会」の見解等、および伝統的仏教教団各派の動向を紹介した後に、それらを踏まえて「生命倫理の十戒」など、仏教的発想にもとづく若干の具体的提案を試みた。
- 1993-07-20
著者
関連論文
- 東洋哲学と生命倫理 : 仏教的生命観からの一対応(4. 生命倫理の哲学的基盤)
- 環境と文明の相関的変容に関する基礎研究
- QOLとケア(第11回日本生命倫理学会年次大会報告)
- 資料 「生と死を巡る環境」 : 生命観はこの4半世紀でどう変わったか