医学部倫理委員会の客観的組織化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
現在、医療行為に関し倫理上の問題がある場合、これを各大学の倫理委員会の審議を経ることが多い。しかし、問題によっては、各々の倫理委員会の結論が一致せず、奇妙な結果となることがある。例えば、いわゆる脳死臨調の答申が公認される前の段階で脳死に関してこれを人の死と認めるかどうか、の問題があり、現在、各大学の倫理委員会に委ねられている。そこで、医学研究などにおいて、倫理上の問題が生じた場合に、統一的なガイドラインを作成するため、各大学の倫理委員会を全国的に組織する必要があると思われる。現在の各大学の倫理委員会の規定を検討すると、倫理上の重要な問題を解決するために適切な構成となっていないことがわかった。各大学の倫理委員会は、全国的に組織された機関の作成した大綱的なガイドラインに従い、自らの施設において、その医療行為をなすことが適当かどうかをその設備・人的構成などについて主体的に、かつ、慎重に審議すべきである。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1992-11-30