臓器移植に関する医療制度
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本の腎移植は毎年数を増してはいるが、米国に比べればわずかなものである。またその腎移植の大方が生体腎移植であるのが現状である。今後日本で、死体腎移植をはじめ心臓・肝臓移植を米国並の医療として定着させ本格化させるためには、脳死問題、移植ネットワークの整備、移植費用問題、移植コーディネーターの確立などさまざまな問題を克服しなければならない。移植医療は高額かつ一部の人のみしか助けられないのが現実で、そこでは誰が決め、誰が臓器を得られるかといった選択問題をも含む。またこうした移植医療のあり方が医療全体の中でも問われてこよう。このような問題は必然的に倫理的価値基準を含み、われわれはこうした移植医療を通し、倫理というものを改めて見直さなければならない時期に来ている。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1992-11-30