オランダの安楽死は世界に通用するか(第8回日本生命倫理学会年次大会セッション「安楽死」)
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概要
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オランダの埋葬法の改正(法案22572号)の機会に同国の安楽死の実情についてわが国のテレビ局が紹介したことにより、安楽死問題への関心は、俄に高まった。オランダの安楽死についての熱い視線は、カナダでも同様であって、それがカナダのモデルになるかどうかについて、カナダは、1992年に、マニトバ大学において、オランダの弁護士と医師を招いて国際会議を開催している。安楽死の基本原則として、「最後の頼みの綱としての医療上の手段」および「患者のオートノミーの尊重」の二点が指摘される。とくに、後者の部分は見習うべき点といえよう。問題点としては、精神的な苦痛も安楽死や自殺幇助を認める理由になりうるか、安楽死や自殺幇助の要求は、末期の状態に至らなくても認められるか、が中心となろう。これらの点については、すんなり受け入れることはできない。緩和ケアの在り方や社会的な文化の背景がかなり異なる。日本的な答を用意すべきである。
- 日本生命倫理学会の論文
- 1997-09-08