統計的パターン認識における『超ボリューム』概念の展開 : 分類問題への適用
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概要
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統計的パターン認識手法では,対象として扱う個々のパターンは,パターン空間中でボリュームのない「点」として扱われてきた.本稿では,パターンを,あるボリュームをもつ「特性空間」として扱う新しい概念を提唱した.この概念の導入により,統計的パターン認識の分野で,従来手法にはない様々な特徴をもつ新たな解析手法の開発が容易となる.この概念に基づいた分類手法の一例として,特性空間の重なりを基準として分類する「超球法」を開発した.従来手法との比較を行うために,アルゴリズム的に最も類似した最近隣法(k-NN法)をとりあげた.そして,この比較の過程で,重なりを評価する尺度である超球内部の密度が均一な「平坦モデル」と超球内部の密度に勾配のある「傾斜モデル」の二つを導入した.後者の傾斜モデルを用いた分類の接近法にはファジィ理論を導入した.このとき,従来手法のk-NN法に内在する分類上の矛盾を超球法あるいは「傾斜超球法」によって解決できることがわかった.
- 日本計算機統計学会の論文
- 1991-05-21
著者
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