刺激等価性の効率性の検討 : 刺激クラスの効果的形成法の研究
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概要
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本研究では、3つの刺激クラス形成法の効率性について比較検討を行った。線形形成法では、刺激間関係を見本合わせを用いて系列的に訓練した(すなわち、A・B・C・Dの刺激クラスのため、A [見本刺激]・B [比較刺激], B→C, C→Dの訓練を行った)。これは、刺激等価性パラダイムにおいて使用されてきた形成法である。一方、円形形成法では、円を描く形で刺激間関係を訓練した(すなわち、A→B, B→C, C→D, D→Aの訓練を行った)。対称律強化形成法では、見本刺激と比較刺激の役割を交代させる訓練を行った(すなわち、A→B, B→C, 0→D, B→A, C→B, D→Cの訓練を行った)。実験1では、線形形成法と円形形成法の比較を行った。その結果、2つの刺激クラスを形成した被験者の割合は、円形形成法群(8名中3名)より線形形成法群(8名中5名)で大きかった。また、線形形成法群の平均反応時間は、円形形成法群よりも有意に短かった。実験2では、8名の被験者を用い、実験1の2つの形成法を被験者内デザインにより再び比較した。しかし、2つの形成法間に有意な差は見られなかった。実験3では8名の被験者を用い、対称律強化形成法と線形形成法を被験者内デザインにより比較した。形成された刺激クラスの数の比較では、形成法間で大きな差はなかった。しかし、対称律強化形成法の平均反応時間は、線形形成法よりも有意に短かかった。刺激等価性で用いられる手続き(すなわち、線形形成法)は、効率的な刺激クラス形成法であることが考えられる。しかし、その効率性には限界がある可能性もまた考えられる。
- 1999-03-31
著者
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