知的障害を持つ人に本当の要求の場はあったのか? : 入所施設における「集会」の機能(<特集>ノーマライゼーションと行動分析)
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概要
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施設に居住している32名の知的障害を持つ人々の要求言語行動の表出に関して、彼らの要求言語行動に影響を及ぼす環境要因との関係について検討を行った。当研究では、要求言語行動を促進する環境要因の一つとして、「集会」という要求の窓口を設定し、その効果について日常場面と集会場面を比較しながら、以下の検討を行った : (1)居住者らの要求言語行動の頻度は増加するのか?、(2)居住者らの要求言語行動の内容が変化するのか?、(3)居住者らの要求を実現させようとする職員の行動の生起率は変化するのか? その結果、集会場面では日常場面に比べて要求言語行動の生起頻度が明らかに高く、要求の内容についても質的に多様で、これまで要求したことのないような新しい要求内容が含まれていた。また、居住者らの要求言語行動の増加とともに、職員による要求の実現行動も増加したことが確認された。自己権利擁護の文脈からみた要求言語行動の実現においては、ここで紹介した「集会」のような明瞭な要求の場を呈示する事が有効であると考えられた。
- 日本行動分析学会の論文
- 1995-06-15
著者
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