物、事、振る舞い : 情報の扱いに関するSkinnerの知恵(<特集>スキナーを21世紀に活かす)
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概要
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本試論は、随伴性により形成された行動とルールにより統制される行動の関係に関わる形で、一片の情報が「物」と「振る舞い」によって構成されること、また、その構造がその情報にアクセスする他の振る舞いを通じて階層的、ないし再帰的になると仮定することが可能か否かを問う。現代の、文明化されコンピュータ化された人間社会では、大量の情報が、もともとの、そして変化し続ける随伴性から切り離されて<物化>する、即ち、情報のダイナミックな構造が柔軟性を欠いて固着する傾向にある。柔軟な情報へのアクセスが実現できるよう随伴性をよりよくアレンジするためには、もともと情報の持っていたダイナミクス、つまり、もともとの随伴性を、最低限シミュレーンヨン的な環境において再活性化することが重要である。そのために、試論では、三項随伴性が、一見階層的に見え変化し続ける環境とその中で行動を発し結果を受け取る自己との関係を充分に説明できるかをも問うべきだと論じる。同様の再考が、ルールの理解が含まれる現実的な研究・教育システムなどの他の分野でも、従って、理論的な行動分析そのものにおいても要求されていると考える。
- 日本行動分析学会の論文
- 1996-08-05
著者
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