男性の更年期を考える(<特集>第10回都民公開講座「中高年を健康に生きる」)
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概要
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わが国では更年期と言えば女性特有なものと言う考えが支配的であるが,男性にも更年期は存在する.ただ女性の更年期に相当する年齢の男性に女性に見られるような症状があるかと言えば必ずしもそうではない.しかしその症状の程度には差こそあれ多くの男性に,倦怠感・不眠・うつ傾向・集中力の低下・***の減退・勃起障害(ED)などがみられる.男性の精巣も女性の卵巣と同様加齢と共に機能低下,即ち精子形成能の低下やホルモン分泌能の低下がみられるが女性と違い精子形成は続いているし,男性ホルモン分泌の減少も緩やかで,しかもこれら変化は個人差が大きい.従って出現する症状も女性程激しくなく,個人差も大きい.この男性に見られる各種症状のうち男性にとって最も関心の高いのが***の減退とEDである.加齢と共に勃起機能,特に夜間勃起の減少が見られ,年齢と共に男性ホルモンの欠乏に伴うEDも増加してくる.これら症例に男性ホルモン補充療法を行うと勃起力の回復だけでなく,気力や体調の改善も見られる.しかし,前立腺癌の存在を知らずに男性ホルモンを使用すると前立腺癌が発育してしまう危険があるので,ホルモン補充用法前には必ず前立腺癌の無いことを確認すると共にホルモン補充療法中も常に前立腺癌に対するチェックが必要である.また最近EDに対する経口治療薬のバイアグラ[○!R]が加齢に伴うEDにも使用され良好な成績が得られている.これらホルモン補充療法やバイアグラ投与で男性のみを元気にしても,ホルモン補充療法の普及していないわが国の女性の多くは***の減退や膣分泌液の減少に伴う性交痛などから性交を希望していないことが考えられ,女性に対するホルモン補充療法や膣分泌液を補う目的のリューブゼリー[○!R]の使用なども考慮しながらEDを治療していく必要がある.
- 順天堂大学の論文
- 2002-12-12
著者
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