区域間通話量流動現象の空間相互作用モデル分析
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概要
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本論文は、わが国の首都圏における電話の区域間通語量流動と地理的距離、料金距離との相互開運を空間相互作用モデルと総称されるいくつかのモデルを用いて実証的に分析したものである。首都圏の40地域を対象としてグラビティーモデルを適用すると、距離抵抗については料金距離より地理的距離の方が大きく、地理的距離の影響については通話時間よりも通話回数により大きいのが確認される。また通話発信地を固定した場合の受信地選択行動が1因子情報エントロピーモデルを用いてうまく説明できることが示される。さらには逆エントロピーモデル、制約型エントロピー最大化モデル等を用いてモデルの適合度を高める試みがなされ、エントロピーモデルを適用する際のコスト関数決定方法が提示される。これらのエントロピーモデル分析によって区域聞通話量が発信地規模より受信地規模の影響をより大きく受け、また距離抵抗については通話時間よりも通話回数により大きく現れることも確認される。最後にこのようなモデル分析が電話料金体系の研究に有効となりうることが示される。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
- 1994-06-00