単一扱者により巡回サービスされる多段タンデム型待ち行列における平均系内時間
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概要
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単一扱者により巡回的にサービスされる多段タンデム型待ち行列において、種々の巡回規律(ゲート式、制現式、全処理式など)の下に、客が系に到着してから系を退去する迄の滞在時間(sojourn time)や第一ステージのサービスを受け始める迄の待ち時間などの平均値評価式を与えている。このような待ち行列は、修理システム、生産工程などのORの分野や通信用プロセッサのオペレーティングシステムなどに散見され、系内滞在時間などの特性評価や扱者の巡回規律(スケジューリング方式)に関する研究が行われている。本論文で扱うN段タンデム形待ち行列は、客の到着がポアソン過程に、各ステージのサービス時間が一般分布に従い、ケンドールの記号を用いてM/G_l-G_2…-G_N/1と略記される。新たに提案された平均値評価式の導出法は、2段の待ち行列M/G_1-G_2/1の解析結果とM/G/1のポラチェック・ヒンチンの公式を併用する簡易法であり、評価式の各項の物理的意味が明らかにされている点に特徴がある。また、仕事量を保存する一般的な巡回規律(但し、各ステージの客のサービス順序は、到着順)の中で平均系内時間を最小にする規律は、各ステージのサービスを中断なく行う継続処理方式(シングルスレッド方式)であり、最大にする規律は若番ステージのサービスを優先的に行う割込み処理方式(ブレークイン方式)であることを明らかにし、仕事量保存形の巡回規律における平均系内時間および第一ステージの平均待ち時間の最大値、最小値を示している。