システム・ダイナミックスによる社会・経済問題の分析手法の研究 : その応用としての「薬づけ」抑制のための健康保険法改正問題の分析
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概要
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種々の要因が複雑にからみ合った社会・経済問題の分析には、各要因間のインフォメーション・フィードバックによる相互作用をダイナミックに分析するシステム・ダイナミックス(S。D。)の手法が非常に適しているといわれている。この手法は、本来は生産工学その他のエンジニアリング部門における自動制御理論をベースとするものであるが、その弾力的な分析の有用性が認められ、その応用は急ピッチにふえている。社会・経済問題の分野でも、都市問題、地域開発問題をはじめとして、資源、環境、交通、医療、犯罪、教育など非常に広がっている。しかし、まだその数は限られており、その応用のルールや考え方がかたまっておらず、また不適切な分野への応用などもあり、いたずらに混乱をおこしているという面もある。筆者は、過去2年あまり、S。D。の社会・経済問題への応用について、その一般的考え方、ルール、理論の確立等に関する研究を行なって来ているが、本論文は、まずS。D。による社会・経済問題の分析の基本として重要な点について述べ、それを応用し、現在大き恋政治問題となっているいわゆる薬づけの抑制をねらった投薬と注射への患者の自己負担導入という健康保健制度改正問題を分析し、S。D。の応用の基本を明らかにしようとするものである。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文