エネルギー近似を用いた下界値計算法と超音速航空機最短経路問題への応用
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概要
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動的計画法と分校限定法を併用した複合アルゴリズム(Hybrid Algorithm)を用いて, 超音速航空機の最適制御問題を効率よく解く方法を提案する. このアルゴリズムは, 超音速飛行を含む航空機の最短時間上昇問題や最小燃料消費問題を最短経路問題に帰着させることにより数値解を統一的な手続きによって求めている. 本法の実行で必要となる下界値は, エネルギー近似法(Energy-State Approximation Method)を一部修正した方法により求めている. 本論文で提案するアルゴリズムの有効性を示すため, 数値実験として種々のタイプの最短時間上昇問題に適用した結果を示した. これらの数値結果から, エネルギー近似解を一部修正した下界値を用いた複合アルゴリズムは, 超音速航空機の最適制御問題の解を技巧を必要としないで計算することができ, かつ, 計算時間と記憶容量を従来型動的計画法に比べ大幅に削減できることが判明した. また, 本論文では, 問題をいっそう効率よく解くためにいくつかの下界値強化法を提案している. さらに, 問題の境界条件や航空機の主要パラメータが変化した場合に対する本アルゴリズムの頑健性を詳細に調べている.
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文