ヒト悪性黒色腫担癌患者により強く認識されうる黒色腫抗原蛋白mRNAの良性および悪性色素細胞腫瘍細胞における発現度解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
悪性黒色腫に対し,古来より様々な免疫療法が試みられて来たが,いずれも満足の行く結果を得るまでは歪っていない。我々は,小脳変生症,SLE,類天疱瘡の自己免疫患やEBウイルス感染症において,自己抗原やウイルス抗原の検出に用いられ,その有用性が確立しつつある組み換えDNA法を使用したアプローチにより,強免疫原性ヒト悪性黒色腫関連抗原を同定した。本抗原の臨床応用にむけ,本抗原遺伝子の皮膚腫瘍における発現を,mRNAを標的とするin situ hybridizationにより組織学的に検索し,D-1黒色腫抗原および遺伝子が培養条件を介して得られた何らかのartifactでないことを立証,報告する。In situhybridizationは非放射性手技に基づいて施行され,悪性黒色腫20例,母斑細胞性母斑10例,有棘細胞癌4例,基底細胞上皮腫4例,脂漏性角化症4例のうち,黒色腫で100%の有意なhybridzationが認められたが,他腫揚では認められなかった。尚,皮膚正常構成細胞であるケラチノサイト,線維芽細胞でもその発現は認めなかった。この所見は,即に免疫生化学的に確認されているD-1抗原の他のimmunogenicな性状と合わせ,D-1遺伝子の臨床応用の可能性を示唆するものである。
- 神戸大学の論文
著者
関連論文
- 197. Hypereosinophilic Syndromeを伴ったT細胞型悪性リンパ腫の剖検例(リンパ・血液III)(一般講演・示説)(第33回日本臨床細胞学会総会)
- ヒト悪性黒色腫担癌患者により強く認識されうる黒色腫抗原蛋白mRNAの良性および悪性色素細胞腫瘍細胞における発現度解析
- 皮膚腫瘍における強免疫原性ヒト悪性黒色腫抗原遺伝子のヒト生体内発現の検出