ビスコーススポンヂの園芸上の利用 : (II) 挿木床土に就て
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概要
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1960-1962年ビスコーススポンヂの粗粉(以下VSP)を川砂にまぜて混和土を作り薬剤を添加, 又は薬剤を添加したVSPで混和土を作り, これに種々の種類の挿木を試みた。1. VSP混和土にαナフタリン醋酸ソーダを添加して挿木をした。これは砂に添加して挿木をしたり, 或はVSP混和土のみに挿木をするよりも有効であった。特にカーネーションでは根の肥大をみた。VSPの混和量は砂の5-10容積%が良く, ナフタリン醋酸は混和土1000ccに対し0.02g位が良かった。2. VSP混和土にナフタリン醋酸ソーダと共にウスプルン, ファイゴン, サナH(繊維殺菌剤), サナT(同前)ビタミンB_1塩酸塩の内1-2を添加したが何れも有効であった。3. VSPに薬剤を吸着させた後, それで混和土を作って挿木をした。供用の薬剤は, (A)ナフタリン醋酸ソーダ, 2.4-Dソーダ塩(B)ウスプルン, サナH(C)ビタミンB_1塩酸塩で, Aの1剤とBの1剤を組合せ或は更にCを加えた。挿木の種類に依て薬剤の適否も異ったが, 概してナフタリン醋酸ソーダとサナH又はウスプルンの組合せが良い様に考えられた。ビタミンB_1塩酸塩は多くの場合, 添加の必要は無かった。4.薬剤吸着後約1年を経たVSPの混和も有効のように見受けた。5.挿木の場合VSPのみの混和は大して有効でなかったが, 薬剤添加の場合はその流亡の一部を阻止或は調節させる物質として, 介在させることは有効のように考えられた。
- 神戸大学の論文