南極の地球化学的地熱探査 : ドライバレー,バンダ湖周辺(予報)
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概要
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ドライバレー,バンダ湖周辺の地球化学的地熱探査の一手段として,水銀をイソディケーターとする方法が適用できるかどうかの予備調査が行われた.試料は堆積物やコアーサソプルの23個で,平均値は50 ppbであった.対象として,ドンファンDVDP 5Aの14個,テイラー谷DVDP 11の27個,昭和基地周辺の48個がなされたが,それぞれの水銀含有量の平均値は6,12,10 ppbでバンダ湖周辺に特別に水銀が多いことが確認された.水銀は現在地熱探査の最良のインディケーターであり,南極のような酷寒地でも深部に地熱があれば水銀が上昇することは容易に考えられる.これらの事は,バンダ湖周辺の二次生成鉱物中に熱水起源のものがあるという事実の裏付けである.本予備調査は既存の試料についてなされたが,地熱探査用の試料採取により,もっと判然とすると思われる.