昭和基地周辺の湖沼の水質
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概要
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1967-68,1968-69年の夏季に昭和基地周辺の湖沼について,栄養塩類を中心に調査した結果をまとめた.湖沼水等について,水温,pHの測定,塩素量,溶存酸素,栄養塩,蒸発残留物等を分析し,これら相互間の解析を行った.結果を要約すると次の通りである.1)塩素量では,雪と湖沼水との間には,10-10^3倍の差があり,水分の濃縮は,池に注ぐ前に起こることもありうる.2)塩分と塩素量との間には,海水と類似の関係がみられた.3)栄養塩については,ケイ酸塩とアンモニウム塩以外は極めて低濃度であった.4)塩分濃度,pHなどの関係から,ケイ酸塩は,主として岩石からの溶解による.5)スカーレン地域の湖沼水のリンと窒素の原子数比は1:12で生物の影響がある.6)湖底より発生していた気泡の組成は,酸素を5%多くした大気の組成に等しかった.