11月13日(1960)第5次船上で観測された低緯度異常大気光(夜光)増加
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概要
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11月10日(1960)にはじまるあいつぐ太陽爆発中,とくに注目されるのは,12日13:25(U.T.)(以下時刻は全てU.T.)に発生したType IV Radio Burstを伴うFlareである.それは宇宙線強度において,きわめて珍らしい型の増加をひきおこし,さらにすでに進行中の大磁気嵐にもいちじるしい影響をあたえた.東京を出港したばかりの13日,地理緯度N32°.7(磁気緯度20°)の洋上において,これを大気光(夜光)の異常現象として,光電観測によってとらえることができた.折から天空は非常な快晴であった.観測結果としていちじるしいものは,i)OI禁制線6300Å,5577Åの異常増加.両者の傾向は非常によい平行性を示し,11:30,14:30に2つの極大をもつ.増加量はそれぞれ900,300Rayleighである.ii)Na-D線,0H Meinel帯に何らの増加も見られない.6300Å,5577Å2本の輝線の増加は約13日10:00時にはじまっており,これは12日13:25時に太陽面を出発した磁気雲かひきおこしたと思われる.磁気嵐急始と宇宙線Forbush減少の時刻とほとんど同時である.また両線の平行した増加は,何らかの粒子衝突励起を予想させ,更にNa-D線とOH Meinel帯に増加のみられないことは,励起層の高さがかなり高いことを予想させる.
- 国立極地研究所の論文