イワシ中のエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸含量に対する加工および調理の影響
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概要
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EPAやDHAを比較的多量含有しているマイワシを試料とし, これに一般によく用いられる加工法や調理法を施し, それぞれの脂肪酸組成を分析し, 加工や調理によりEPAやDHAの含量がどのように変化するかについて検討し次のような結果が得られた。1. 丸干し, 開き干し100g中のEPA, DHAの含量は生のマイワシ100g中の含量の1.1〜1.4倍であったが, 脂肪酸組成には変化はなかった。しかし, 生のマイワシ100gから得た乾燥品の含量は生の場合の40〜80%に減少した。また, これらの加工品は焼くという調理操作を経て摂取することから新鮮時に含まれていたEPAやDHA含量のおよそ25%程度が摂取出来るものと推察された。2. 焼く, 煮るという調理操作によりEPAやDHAの含量は生の場合の50%程度に, 唐揚げ後三杯酢漬けでは30%程度に減じた。3. 加工品や調理品の過酸化物価を測定したところ, 煮物や焼き物で高い数値が示されたが, その他の操作による違いは余り示されなかった。4.EPAの所要量とされる700mgを満たすために必要な加工品や調理品の必要量を試算した結果, マイワシの上身では100g, 焼き物, 煮物では180g, 唐揚げ後三杯酢漬けでは370g, 丸干し, 開き干しの焼き物では120〜140g摂取すればよいことを知った。
- 1986-02-20
著者
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