香辛料の油脂に対する抗酸化性
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概要
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30種の粉末香辛料のラード,てんぷら油に対する抗酸化性をためし,さらに一部の香辛料について,ドレッシングソース,マヨネーズソース,クッキーに対する効果を調べた。1.ラードに対しては多くの香辛料が抗酸化性を示し,特にローズマリーが最大で,次いでセージ,サボリ,ジンジャー,ナツメグ,タイム,クローブ,メース,オレガノの効果が大きかった。2.てんぷら油に対してはローズマリー,セージのみ大きな効果を示し,次いでタイム,ナツメグ,ブラックペッパーがかなりの効果があり,マージョラム,オレガノ,サボリ,ジンジャーは弱い効果を示した。他のものは特に効果を認められなかった。3.ドレッシングソースに対してはブラックペッパーの効果が大きく,ローズマリー,セージは弱かった。4.マヨネーズソースに対しては,マスタードは効果なく,セージ,オレガノ,ブラックペッパー,ローズマリーに若干の効果があった。5.バターを多量に用いたクッキーに対しては,実験に用いた香辛料(ローズマリー,ジンジャー,ナツメグ,シナモン)はいずれも抗酸化性を示さなかった。6.アスコルビン酸のシナジスト効果を見るため,一部の試料に単独または香辛料と共に加えたが,ラードに対しては酸化促進的であり,てんぷら油に対して単独,併用共にシナジスト効果を示した。マヨネーズに対してはかなりの効果があるが,褐変するので実用的でなく,ドレッシングに対しては併用の場合,若干の効果があった。
- 1977-12-20