学生生活の実態に関する栄養学的検討
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概要
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本学在籍学生の栄養摂取状況を把握し, 栄養指導上の問題点を明らかにすることを目的として調査を行なった。1.各栄養素の摂取状況では, ビタミンA_1 B_2およびカルシウムの不足が目立っている。エネルギー, たん白質, 鉄, ビタミンB_1およびビタミンCはほぼ, 充足していた。エネルギーの食品群別摂取構成においては, 油脂から摂取するエネルギーが, 寮給食において最も多く, 次いで自炊生であるが, 日常, 揚げる, 炒めるといった料理法が79.0%も占められ, 簡単で手早く, 美味であることが, 若い学生の嗜好に合っていることを示唆するものと考える。2.米の消費は少なく, 食品群別摂取状況においては, いも, 豆類, 緑黄色野菜, その他の野菜, 果物などは全国平均に対していずれも少なく, 特に自炊生に顕著であった。また肉類への嗜好が, 魚類を上回り, その比は自炊生に高く約3.4倍であった。3.自宅生, 自炊生および寮生の比較においては, 自宅生はその地域的な食形態をよくあらわしており, 自炊生は若者の特徴的な肉類や油料理への嗜好が強く, 寮生は, 栄養士の管理下にあるため, 献立への配慮が充分なされていた。しかし寮生に多い間食の内容と, 朝食の欠食については, 今後問題があり, 詳細な調査を続けてゆきたいと考えている。4.身体的に異常を訴える学生は自炊生に多く, 寮生がこれに続いた。栄養摂取や生活面での指導が今後の課題と考える。
- 福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
- 1982-06-30