複製フォークが止まると…
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概要
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生物はゲノム上に,複製フォークの進行を積極的に止める部位を持っている.その部位の特徴と阻害の機構を明らかにし,その生理機能を追求する中で,その阻害部位の近傍の組換えが著しく活性化することを見いだした.その機構を調べるうち,フォークの進行の阻害が起こると,生物はそのフォークを一度壊し,新しいフォークを再構築することでその障害を乗り越えており,それこそが相同的組換えの機能の一つであることが判明した.驚いたことに,真核生物ではそのフォーク阻害のシステムがリボソームRNA遺伝子のコピー数の増加と減少に中心的役割を担っている.フォークの進行阻害は,予想以上にゲノムのさまざまな変化に寄与しているらしい.
- 日本生物物理学会の論文
- 1999-11-25