セラミックメタルハライドランプの光束低下機構の解析
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概要
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近年,アルミナ発光管を用いたセラミックメタルハライドランプに関する研究開発が精力的に進められている.アルミナ発光管は石英に比べて耐熱性が高いため,動作温度を高めて管内のメタルハライド蒸気圧を上昇させることで高効率及び高演色特性が実現できる.また石英発光管のようにNa抜けが生じないため寿命中の色温度変化が少ない等の特長がある.しかしながら,光束維持率に関しては石英製メタルハライドランプと比較して優れているものの,点灯初期に発生するアルミナ発光管の黒化現象,封入物との反応によるアルミナ発光管の白濁現象等による光束低下要因が報告されており,改善の余地が残されている.このため本研究では,セラミックメタルハライドランプの光束維持率改善を目的として,同ランプの光束低下機構をランプの寿命特性及び熱力学的平衡論から解析し,光束低下を改善する方法について考察した.その結果,NaI-TlI-DyI_3及びNaI-DyI_3を封入したセラミックメタルハライドランプでは,管内残留炭素の析出による早期管壁黒化,希土類金属Dyとアルミナの反応による3Dy_2O_3-5Al_2O3ガーネット相の生成,アルミナの昇華エッチング及び異常結晶粒の成長による発光管の白濁が光束低下の主原因であることを明らかとした.また上記管壁黒化を改善する方法として,タングステン電極中の残留炭素量低減,及び発光管の管壁温度を950℃以上とすること,発光管白濁の改善方法として,TlIの添加,及び管壁温度を1050℃以下に設定することが有効であることを明らかにした.
- 社団法人照明学会の論文
- 2003-11-01
著者
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