音楽著作権の文化的効果 : 「大地讃頌」事件を検討する
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概要
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本論文では、クラシック音楽の作曲家である佐藤眞の作品、「大地讃頌」が、ジャズバンドであるPE'Zにカヴァーされたことによって生じた法的な争いについて検討する。佐藤は、自身が持つ同曲の翻案権(編曲権)と同一性保持権(著作者人格権)が、PE'Zのカヴァー・ヴァージョンによって侵害されたことを主張した。PE'Z側はその主張を受け入れ、今後の演奏停止と同曲のCDの発売停止に同意し、和解した。この事件を、法的な水準と文化的な水準からそれぞれ検討し、音楽著作権制度が現代の音楽実践において、クラシック音楽的な文化規範を、他の様々な音楽実践へと及ぼす効果を果たしていることを明らかにする。
- 国立音楽大学の論文