ポリ(オキシエチレン)グリコールドデシルエーテルーデカンおよび-ベンゼン系の希釈熱と相互作用

概要

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ポリ(オキシエチレン)グリコールドデシルエーテル(POED);C_<12>H_<25>(OC_2H_4)n OH(n=0,2,4,6,8)の溶媒デカンおよびベンゼンとの相互作用を明らかにするために,希薄領域の希釈熱を293,298および303Kで直接測定した。測定は既報の伝導型フローミクロカロリメーターによった。決定した部分モル希釈熱ΔH_1値は測定範囲内で温度にかかわらず正であった。ΔH_1値を解析するために,表面分率にもとづいた零次近似により混合エンタルピーの式を導いた。結果として,POED分子中のオキシエチレン鎖(m)とドデシルアルコール(e)部分に対するデカンおよびベンゼン溶媒それぞれの相互作用状態を,二体間相互作用エネルギー値Δw_<le>,Δw_<lm>およびΔw_<lme>、から明確に推定することが出来た。デカン系でのΔw_<lme>とベンゼン系でのΔw_<lm>は負値を示した。これらの負値の傾向は,従来からの親和的エンタルピー相互作用(発熱)の推定と一致している。とくに,ベンゼン系でΔw_<lm>のみが負値を示すことは,POED分子中のオキシエチレン鎖部分とベンゼン溶媒間での特徴的な親和性が明らかに存在するということを示している。
東海大学の論文
1992-03-30