昭和基地に於ける高層気象観測(第1報)(気象部門)(<特集>南極シンポジウム)
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概要
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第3次越冬期間中(1959年2月-1960年1月)に約100回のラジオゾンデ観測を行い,一応各高度気温の年変化を観測することが出来た.夏の状態曲線は300mb附近に極めてシャープなトロポポーズが現れ,成層圏では高度と共に気温は上昇する.トロポポーズの気温は比較的高温で-50℃に達しない時もある.一方冬の状態曲線は一般に地上附近に顕著な気温逆転が現われ,トロポポーズはあまり明瞭でなくなり,成層圏でも高度と共に気温は下降を続ける.気温の年変化は300mb以下では地上のKernlose型の変化と似た変化を示すが(振幅は少ない)300mb以上では単純な年変化となり,振幅も高度が高い程大きくなる.トロポポーズの平均高度は冬に高くなり,夏よりも2000m以上も高い.850〜700mb附近に第2の逆転層が見られ,この層は強固なものでブリザードがあっても却々解消せず,時間と共に次第に高い方に移動して行くことが認められた.
- 国立極地研究所の論文
著者
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