リュッツォウホルム湾付近の気象統計(気象部門)(<特集>南極シンポジウム)
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概要
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1956年から1960年迄行われた4回の南極観測における,宗谷及び海鷹丸の船上気象観測値を利用して,リュッツオウホルム湾附近の気象統計を行った.資料の数の関係から,統計に要する区域は26の小海面にわけて,それぞれの区域ごとに各気象要素につき統計を行った.各気象要素は図及び表にあるように,風,天気,視程,全雲量及び下層雲量等であるが,更に,昭和基地に近い特別な3区域について,風向別の天気の頻度の統計も行ってある.各要素についての総括的な結果は,海岸線から沖合に出るに従って気象条件は悪くなり,海岸線に近づく程良くなる.風は海岸線に沿った東よりの風が一般に卓越しているが,海岸線に近い場所では海岸線の方向の変化に応じて最多風向が変わり,昭和基地に近づくに従ってリュッツォウホルム湾の東岸では北東によった風になる.又,海岸線からかなり沖合にでると,西よりの風の頻度が大きくなる傾向も見られる.特別な3つの区域について統計した風向別の天気の頻度によると,風速が15ノット以上の場合では東よりの風は降雪を伴う事が圧倒的に多く,基地に近づくと地吹雪を伴う事もかなり多くなる.又,風速14ノット以下では西よりの風は霧やもやの出現する頻度が大きくなる傾向がある.
- 国立極地研究所の論文
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