昭和基地産放射性鉱物-Euxenite-Polycrase系鉱物-について(地学部門)(<特集>南極シンポジウム)
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概要
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本鉱物は黒色塊状,貝殻状断口,ガラス光沢を示し,比重は約5.5である.条痕は赤褐色で,千度加熱後は淡褐色に変ずる.薄片の色は赤褐色,等方性を示す.粉末のガイガー計数器による放射能は約15%U当量である.常温ではX線粉末像が得られず,完全にメタミクト状態にある.空気中で1,000℃ 7 時間加熱した試料のX線粉末像は,euxeniteの標準資料とよく一致する.DTA曲線は約760℃に著しい発熱があり,euxenite, eschyniteの特徴を示す.主要化学成分(%)はU0_2 11.84, U0_3 0.67, Th0_2 3.20, Ti0_2 24.74, Nb_20_5+Ta_20_5 30.76,ΣCe_20_3 0.38,ΣΥ_20_3 25.26などでAB_20_6の理想式で表わされる.Nb_20_5とTa_20_5の量は略等量であり(Nb_20_5+Ta_20_5):Ti0_2の分子比は1:3.6になり,化学成分上からはBROGGERの定義によるpolyeraseに属するものである.
- 国立極地研究所の論文
著者
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林 昇一郎
Geological Survey Of Japan
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長島 弘三
Chemical Institute College Of General Education University Of Tokyo