クローン病と上腸間膜動脈症候群が合併し、神経性食欲不振症との鑑別に苦慮した1例

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概要

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症例は14歳の女子。食後の上腹部痛、悪心があるも、胃カメラなどでは著変がなかった。るいそうが顕著であったが、初潮前であり、肥満嫌悪や身体像のゆがみもなかったため、神経性食欲不振症の疑いとして経過を観察していた。微熱、頻脈、炎症反応が続き、免疫便潜血検査で陽性のこともあった。初診約1年後、上部消化管透視と腹部エコーにて上腸間膜動脈症状群の存在を認めた。開腹術を行ったところ、回腸末端部に縦走潰瘍があり、組織所見からクローン病と診断した。手術の1年半後に体重は23kgから42kgまで増加し、月経も発来した。クローン病と上腸間膜動脈症候群の合併症の報告は見当たらないが、両者ともに神経性食欲不振症に類似した臨床像をとることがあり、十分留意されるべきであろう。
1996-08-01

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