Apholateによるカイコの継代不妊
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概要
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5齢5日目の雄蚕1頭当り25または50μgのapholateを投与し,これに正常雌を交配すると,その産下卵の約44∼87%が受精してから胚発生過程で致死した。さらに生き残ったF1雄に正常雌を交配すると,産下卵のほとんどが不受精卵または致死卵となり顕著な不妊性が示された。また,F1雌では不受精卵は発現しないが孵化歩合が低下した。これに対し,F2世代の生殖力は雌雄ともに正常であった。不妊化を示すF1雄の生殖細胞では,精原細胞の分裂増殖過程においては何らの異常も認められなかったが,減数分裂中期に顕著な染色体異常が観察された。さらに,これらの生殖細胞は,蛹期になると顕著な形態異常を示して機能を喪失し,受精にはほとんど関与していないことがわかった。一方,F2蚕では,配偶子形成の異常は全く認められなかった。以上の実験結果をもとに,継代不妊の発現機構について考察を加えた。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1973-09-25