不安と抑うつの共存 : 最近の話題と今後の展望(不安と抑うつの基礎と臨床)(第37回日本心身医学会総会)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
不安と抑うつには, 症状水準における重複があることがよく知られており, 診断水準の重複は共存と呼ばれている。プライマリーケアを受診する患者では, 公式な診断基準を満たさないが不安や抑うつ状態を示す例が多く, そのうち不安と抑うつが重複している例では, 社会的障害が大きく, 早期に認知し治療を行っても予後の改善がないという。強い不安症状を合併するうつ病を, 治療反応性や予後の観点から不安うつ病として分離する研究者もいる。国際疾患分類第10版では, 両者とも正式の診断基準を満たさないが不安と抑うつ症状が混在する混合性不安抑うつ障害という診断カテゴリーを新しくつけ加えた。共存という概念は, 診断のための生物学的指標がない精神障害診断のあいまいさに由来しているが, 治療という視点からみると, よりよい治療方略を提供するための手がかりとなりうるであろう。
- 日本心身医学会の論文
- 1997-03-01
著者
関連論文
- CYP2C Subfamilyの遺伝的多型とPhenytoinの代謝能との関連
- 正常者の左右反転視下における視覚協調運動適応過程
- 恐慌性障害患者における全般性不安と抑うつ : 薬物に対する反応性(不安と抑うつの基礎と臨床)
- クリック持続時間と条件 : 試験刺激間隔の P50 抑制におよぼす影響
- B-26 フェニトイン代謝酵素の遺伝子診断 : 遺伝子変異がフェニトインの投与量-血中濃度関係に与える影響
- 顔分別時の事象関連電位 : 比較的早い成分について
- 仮名認知における視覚誘発脳磁図計測
- 不安と抑うつの共存 : 最近の話題と今後の展望(不安と抑うつの基礎と臨床)(第37回日本心身医学会総会)
- 自己の声に対する事象関連電位
- 言語課題で誘発された特異な視覚事象関連電位