タケノホソクロバ幼虫の集団の大きさがその発育と死亡率とに及ぼす影響
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概要
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タケノホソクロバの卵は卵塊として産下され,ふ化幼虫は3令ごろまで集団生活を営む。本種の室内での飼育によると,死亡率は幼虫初期(1∼3令)には集団が大きいほど減少し,1頭区では1令期にほぼ15%であるのに対し,20頭区では3令にならなければ死亡個体はあらわれなかった。集合区では分散期に当たる3令以後急激に死亡率が増加し1頭区よりはるかに大きかった。幼虫期間の長さは集団が大きくなるほど長くなった。第3回目脱皮までは集合区と隔離区はほぼ脱皮期間が一致したが,4令期間は集合区で発育が数日遅れた。また令数は集団の大きいほど多くなった。以上より,分散期を境に本種の幼虫は密度に対して逆の反応を示すことがわかった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1962-09-30