桑園におけるクワシロカイガラムシの天敵昆虫の種類と発生消長
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概要
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(1)クワシロカイガラムシの天敵昆虫として, 新たにトビコバチ科2種, ツヤコバチ科1種, タマバエ科2種, テントウムシ科7種を記録した。そのうちタマバエ科のDentifibula sp.とLestadiplosis sp.Bの両種は本邦未記録のもので, それぞれ幼虫が本種の幼虫および雄蛹・雌成虫を捕食することが認められた。(2)寄生蜂のAphytis sp., ベルレーゼコバチ, チビトビコバチは, 東北から九州地方に至る広い地域に分布していた。そのうちAphytis sp.は九州および四国地方に比較的多くみられ, ベルレーゼコバチは全国的に, しかもほぼ均一に分布するなど, 種によって寄生量の地域差が認められた。(3)東北地方におけるクワシロカイガラムシの天敵昆虫の発生について, 寄生蜂ではキイロクワカイガラヤドリバチ>ベルレーゼコバチ>Prospaltella sp.>チビトビコバチの順位に, 捕食性昆虫ではCybocephalu nipponicusENDRODY-YOUNGA>クロテントウ>ハレヤヒメテントウ>ヒメアカボシテントウの順位に認められた。(4)桑園内における寄生蜂(Aphytis sp., ベルレーゼコバチ)の生息密度は, 桑園の中心部で高く, 外辺部では低いことが判明した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1981-11-25