合成性フェロモン剤によるチャノコカクモンハマキのマス・トラップ効果
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概要
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1. 7.5aの茶園をマス・トラップ区として35個のトラップを配置し,10aの慣行防除茶園を対照区として2個のトラップを配置した。トラップはゾエコン社製のPherocon ICを使用し,これに大塚製薬の性フェロモン剤P-7516を取りつけた。2. マス・トラップ区のトラップ当り誘殺数は対照区のそれと比べると,第1回成虫期には20%と低かったが,最後の第5回成虫期には60%に上昇した。3. マス・トラップ区のトラップの位置と誘殺との関係は,おおむね外周部のそれが最多の傾向を示した。4. マス・トラップ区における第1回∼第3回成虫期トラップの誘殺数と第1世代∼第3世代幼虫によるトラップ周辺の被害量との間には,それぞれ相関係数が,0.814, 0.803,および0.845で,正の相関がみられた。5. 第1世代幼虫および第2世代幼虫によるマス・トラップ区の被害量(巻葉数)は対照区の,それぞれ50%および60%であったが,第3世代幼虫による被害量は両区ほぼ等しくなり,最後の第4世代幼虫期のマス・トラップ区の被害量は対照区の1.5倍と逆転した。
- 1980-05-25